厳しい言い方をされたことや、労働者が不快に感じたことだけで、直ちにカスタマーハラスメントと判断できるわけではありません。厚生労働省の指針が示す3つの要素と、個別事情を確認します。
カスタマーハラスメントは3つの要素をすべて満たすものです
顧客等の言動であること
取引先、施設利用者、患者、保護者等、業務に関係して労働者へ言動を行う者が含まれます。
社会通念上許容される範囲を超えていること
要求内容だけでなく、暴言、威迫、長時間・反復、差別的言動等の手段・態様も分けて確認します。内容に確認すべき点があっても、手段・態様が許容範囲を超える場合があります。
労働者の就業環境が害されること
身体的または精神的な苦痛、能力発揮への重大な悪影響等について、一般的な労働者の感じ方を基準としながら、言動の頻度、継続性、労働者の心身の状況等も考慮します。
『顧客等』と『職場』の範囲
店舗や事業所の中だけでなく、電話、メール、オンライン、訪問先等、労働者が業務を行う場所も対象になり得ます。自社の主要な顧客接点ごとに整理します。
正当な申出、消費者の権利、合理的配慮との関係
社会通念上許容される範囲の正当な申入れは、カスタマーハラスメントには該当しません。消費者の権利、障害特性への合理的配慮、各業法やサービス提供義務等にも留意し、申出内容と手段・態様を切り分けます。
判断が難しい段階でも相談できる体制を整える
該当するか微妙な場合も相談対象とし、担当者一人で結論を出さず、事実確認と上位者連携へつなぎます。初期整備チェックリストで相談体制を確認できます。
相談体制の整備は、2026年10月1日に施行されたカスタマーハラスメント防止措置の義務化で求められる項目の一つです。施行前後に決めることと、施行後1か月の点検項目は「カスタマーハラスメント防止措置の義務化|10月1日施行をまたぐ実務の順序」で順序立てて整理しています。
インテグレスの見解
正当な申出とカスタマーハラスメントを早い段階で決めつけないことが、顧客の権利と従業員の安全を両立する出発点です。申出内容、手段・態様、就業環境への影響を分け、判断が難しい場合は担当者一人で抱えず上位者へつなぐ運用が必要です。
出典
公式資料の本文・図表は転載せず、要点の紹介に留めています。
詳細は出典ページをご確認ください。
本記事は一般的な情報です。
個別の法的・労務的判断は弁護士・社会保険労務士等へご確認ください。
最終確認日:2026年8月13日