カスタマーハラスメント対策方針は、強い要求を一律に断るための文書ではありません。正当な申出には真摯に対応しながら、社会通念上許容される範囲を超える言動から労働者を保護するための基本姿勢と対処内容を示します。
方針の明確化と労働者への周知は事業主の措置です
経営者名義等で方針を明確にし、所属部署や雇用形態を問わず、管理監督者を含むすべての労働者へ周知します。研修は周知方法の例であり、方針や対処内容を確実に伝える方法を自社で選びます。
対策方針に入れたい基本項目
- 従業員を保護する基本姿勢
- 3つの要素と自社で想定する言動
- 正当な申出、消費者の権利、合理的配慮への留意
- 相談窓口、報告経路、判断権者
- 初期対応、担当交代、上位者連携
- 特に悪質な事案への対処方針
- プライバシー保護と不利益取扱い禁止
- 運用状況の確認と見直し
社内向け方針と社外表示文は役割が異なります
社内向け方針では、相談方法、役割、記録、被害者への配慮等を具体化します。社外表示文では、労働者を保護する姿勢、正当な申出に真摯に対応する姿勢、社会通念上許容される範囲を超える言動への対処等を、顧客に分かる表現で示します。
顧客等への周知は義務か
厚生労働省Q&Aでは、顧客等への方針周知は義務ではない一方、被害防止に効果的な取組として示されています。義務項目と同じ扱いで説明しないよう注意します。
方針だけで終わらせず運用へつなぐ
相談窓口、初期対応手順、記録様式、上位者連携、担当者への説明へ落とし込みます。カスタマーハラスメント防止措置 初期整備支援では、社内基本方針案と社外表示文案を標準成果物に含めています。
2026年10月1日施行を受けた確認
2026年10月1日から、事業主にカスタマーハラスメント防止措置が義務付けられています。厚生労働省が2026年2月26日に公表した指針と概要資料を確認し、方針の明確化・周知、相談体制、事実確認、被害者への配慮、再発防止、プライバシー保護、不利益取扱いの禁止、悪質な事案への対処方針を自社の運用へ反映してください。
すべての苦情や要望がカスタマーハラスメントに当たるわけではありません。正当な申出や消費者の権利、障害のある方への合理的配慮等を踏まえ、個別に判断する必要があります。
インテグレスの見解
対策方針は、掲示する文書を作って終わりではありません。社内向けには相談・報告経路と判断権限を、社外向けには正当な申出を尊重する姿勢と許容できない行為を、それぞれの役割に合わせて整理し、現場手順へつなげる必要があります。
出典
公式資料の本文・図表は転載せず、要点の紹介に留めています。
詳細は出典ページをご確認ください。
本記事は一般的な情報です。
個別の法的・労務的判断は弁護士・社会保険労務士等へご確認ください。
最終確認日:2026年9月8日