クレーム対応が長期化する原因の一つに、どの時点で誰へ相談し、誰が判断するか分からないという問題があります。担当者の経験や我慢に依存せず、組織として判断できる基準を整えます。
直ちに報告・交代を検討する条件
暴力や威迫、安全上の懸念、差別的言動、長時間・反復対応、権限外の補償要求、通常業務への重大な支障等、現場で確認できる条件を定めます。『難しい案件』のような主観的な表現だけにしません。
誰が指示し、誰が最終判断するか
相談先だけでなく、担当交代、説明方針、補償、対応終了、警察・弁護士等との連携を誰が判断するかを整理します。判断者不在時の代替者も定めます。
一人で対応させないための運用
担当交代、複数人対応、管理監督者による引取り、本社・関係部門への連絡等は、指針に示される対応例です。すべてを一律に実施する義務という意味ではなく、自社で実行できる対処内容を定めて周知します。
長時間・反復対応を終える基準
十分な説明を行ったか、未確認事項が残っているか、同じ要求が反復されているか、安全や業務への影響があるかを確認し、対応終了の判断権限と案内方法を定めます。
特に悪質な事案への対処方針
警察への通報、警告、法令の範囲内でのサービス提供停止・出入禁止、法務部門・弁護士への相談等について、方針、判断権者、連携手順をあらかじめ定めます。これらは対応例であり、発生時に一律に行うものではありません。改正法が新たな強制権限を付与するものでもありません。
方針と判断権者、連携手順をあらかじめ定めておくことは、2026年10月1日に施行されたカスタマーハラスメント防止措置の義務化への対応にもあたります。整えておく最低限と、施行後の点検の進め方は「カスタマーハラスメント防止措置の義務化|10月1日施行をまたぐ実務の順序」で整理しています。
録音・録画と個人情報
利用目的、通知・公表、共有範囲、閲覧権限、保存・廃棄等を確認します。録画されていることを本人が容易に認識できない場合にも留意が必要です。
事例訓練と定期見直し
想定事例で基準と連携先を確認し、運用で生じた迷いを見直します。個別の法的判断は弁護士等へ確認してください。
インテグレスの見解
エスカレーション基準は、現場から案件を取り上げるためではなく、担当者を孤立させず、必要な権限を持つ人へ判断を移すための仕組みです。発生条件、連絡先、判断者、不在時の代替者を具体的にし、事例訓練で実際に動くかを確認します。
出典
公式資料の本文・図表は転載せず、要点の紹介に留めています。
詳細は出典ページをご確認ください。
本記事は一般的な情報です。
個別の法的・労務的判断は弁護士・社会保険労務士等へご確認ください。
最終確認日:2026年8月13日